【医師監修】たるみ毛穴の原因は？気になる対策もご紹介《お肌の自信を取り戻す！》

30代や40代など、年齢と共に毛穴が気になり出す方も多いですよね。大人女性の毛穴のお悩みは、学生時代や20代などの若い頃にできた毛穴の悩みとは、原因や対処のしかたが少し違うことがあります。間違ったケアをしないためにも、まずは「たるみ毛穴」について知ってみましょう。

「たるみ毛穴」とは、老化に伴い真皮にあるコラーゲン繊維やエラスチン繊維が減少し、お肌のハリが低下することにより引き起こされる毛穴トラブル。

ハリの低下により毛穴自体を支えきれなくなってしまうため、結果的に周りの皮膚が毛穴の方に落ち込んでたるみ、影のようになって目立ってしまうのですね。

毛穴トラブルはさまざまありますので、自分が悩んでいるものがたるみ毛穴なのかどうか分かりにくいですよね。そんなときは、次の点に着目してみてください。

• 角栓による詰まりがないのに目立っている
• 毛穴の形がしずく形や横長になっている（丸くない）
• 頬の周り、とくに頬の内側に多くある
• 肌を斜め上に引っ張ったら目立たなくなる

上記のような特徴があれば、たるみ毛穴の可能性があります。そのまま何のケアもせずにハリや弾力が低下すると、たるんだ毛穴同士がつながってしまう場合も。これがいわゆる「帯状毛穴」と呼ばれる状態です。

遠目からはシワのように見えてしまうこともありますし、なかなか改善が難しいことから、できるだけ早めの対策が望まれます。

前述のたるみ毛穴はハリの低下に伴うものなので、10代や20代の頃に気になった「開き毛穴」や「詰まり毛穴（いちご鼻）」とは原因が異なります。開き毛穴は皮脂の過剰分泌が、詰まり毛穴は角栓が詰まっていることが、それぞれ目立つ原因になっているんです。

そのため、今現在たるみ毛穴で悩んでいる方が、若い頃に遭遇した毛穴トラブルと同じようにクレンジングなどの見直しを行ったとしても、なかなか望むような結果にならないでしょう。大人女性の肌はゆらぎがちなので、年齢に応じたケアを取り入れていくことが大事です！

すでにできてしまった「たるみ毛穴」を改善するために、日頃のケアとしてどんなことができるのでしょうか？ ここからはスキンケアアイテムの選び方や、おすすめの美容成分をご紹介します。

スキンケアアイテムを選ぶときには、ハリのあるお肌へ導いてくれるアイテムを選びましょう。「エイジングケア」という表記のあるアイテムなら、お肌のハリに配慮された成分が配合されています。

【ハリのある肌へ導く美容成分】

• レチノール
• ニールワン
• ナイアシンアミド
• ビタミンC誘導体

上記のような成分を目安にして購入しましょう。市販されている化粧品は、箱の外側に全成分が表示されているので、そこの記載を確認しながら購入するといいですね。

ただし、ハリを出す成分の中には乾燥しやすくなるものも含まれるため、保湿ケアはしっかり行うことが大切です。

「イオン導入器」と呼ばれる種類の美顔器を使ってみるのもひとつの手です。微弱な電気を流すことで美容成分を角質層の奥まで浸透しやすくしてくれるアイテムなんですよ。

昔と比べて美顔器の種類はだいぶ増えてきましたし、インターネットショッピングの発達で入手しやすくなっています。シンプルな機能の数千円の美顔器から、複数の機能を兼ね備えた高級美顔器まで、値段もバリエーションも色々ありますので、試しやすいものからトライしてみてもいいかもしれません。

たるみ毛穴ケアをする際に、1点注意があります。鏡で見たときに、黒ずんで見えることから、美白系のアイテムが効くのかと勘違いしている方がいらっしゃいます。しかし、実際にはハリがなくなって影になっているだけなので、ハイドロキノンなどをはじめとした美白成分では毛穴に対する効果は得られにくいでしょう。

どちらかといえば、美白ケアアイテムよりも、シワなどに配慮されたエイジングケア向きアイテムの方が、たるみ毛穴には向いているといえるでしょう。

すでに沢山できてしまった「たるみ毛穴」は、皮膚の深い部分の年齢に伴う変化ということもあり、日頃のスキンケアのみでの改善がなかなか難しいのが実際のところ。化粧品は「予防」が目的のアイテムなので、「治療」まではできないからです。

もしも本気の治療が必要だと感じたら、美容皮膚科に相談してみて。レーザー治療やケミカルピーリング、光治療などの施術をはじめ、先ほどご紹介したイオン導入を行っているクリニックもあります。

そのクリニックによって行っている施術が違うので、自宅から負担なく通えるところを探してみて。検索エンジンで「美容皮膚科　〇〇（地域名）」と検索し、出てきた公式ホームページの診療案内で、どんな治療を行っているのか確認してみるとスムーズです。

「たるみ毛穴」は、一度できてしまうと改善するのが難しいので、これ以上増やさないためにも事前に対策するのがおすすめです。ここからは、3つの対策方法をご紹介していきましょう。

紫外線は肌を黒くしてしまうイメージは誰しも持っていますが、「光老化（ひかりろうか）」を引き起こす原因にもなるため注意が必要。肌内部のコラーゲン繊維やエラスチン繊維にも影響を与えるため、たるみを誘発します。

日頃から、日焼け止めを塗る習慣を心がけましょう。夏の時期に高SPFの日焼け止めを使うのはもちろんですが、冬の時期に雪による紫外線の反射にも気をつけたいところです。また、屋外ではアームカバーや帽子を着用したり、日傘をさしたりするのも紫外線対策になるでしょう。

もはや定番ともいえますが、日頃からしっかり保湿するのも大切です。肌の表面が乾燥してしまうと、弾力が失われ毛穴の出口も硬くなりがち。化粧水や乳液で肌を潤し、日頃から柔軟な肌を保つ心がけが大切です。

ただし、年齢に伴って肌質は変化していくものなので、若い頃から続けているスキンケアがそのまま通用しないこともあります。コラーゲンやセラミドをはじめとした保湿成分が豊富に配合されているアイテムや、抗酸化作用のある成分に着目したアイテムを選ぶなど、年齢に応じたケアを取り入れていきましょう。

「最近、昔と肌が変わってきたかも……」と感じる方は、エイジングケアに特化した商品を使ってみてくださいね。

今回ご紹介する対策のなかでも、もっともベーシックなのが「擦らない」という対策です。毛穴のトラブルといえば皮脂というイメージがあるためか、どんどん擦ってしまったり、洗いすぎてしまったりといった間違ったケアをしている方も。

どんなにいい化粧品を使っていても、肌を擦って物理的な刺激を与え続けると、肌にダメージが蓄積していきます。毎日そんな習慣を続ければ、肌が硬くなり、余計に毛穴が目立つ悪循環に。顔を洗うときは、洗顔料をしっかり泡立てて擦らず優しく洗いましょう。

また、肌に必要な皮脂を洗いすぎてしまうのも、肌の乾燥を招く要因になるので注意。もしも洗顔後に、肌がつっぱるようなら、アミノ酸系など洗浄力がマイルドな洗顔料をチョイスするのがおすすめです。

気になる「たるみ毛穴」をメイクでカバーするには、ファンデーションやコンシーラーだけではなく、下地を工夫するとうまくいきやすいんですよ。詳しくご紹介します。

たるみ毛穴は肌に小さな凹凸がある状態なので、上手にカバーするにはポアレス系の下地がおすすめ！「ポアレスプライマー」や「毛穴下地」など、色々な呼ばれ方をしますが、シリコーンなどを配合して毛穴の凹凸を埋めるような特徴のあるアイテムになります。

ファンデーションとコンシーラーで厚塗りするだけよりも、自然な仕上がりに近づけますし、メイクがヨレにくくなるメリットもあるんですよ。

ただ、普通の下地と違って密着力を高めるものではないので、毛穴が気になるところだけ部分的に併用する形がベターでしょう。保湿効果のある美容成分が配合されているものですと、メイクしながらスキンケアができるので、大人肌への負担が軽減できるかもしれませんね。

日頃のメイクでポアレス系の下地を使う場合は、下記のような手順で使いましょう。

1. いつも使っている密着力を高める化粧下地・日焼け止め
2. 部分的にポアレス系の下地を塗って毛穴を埋める
3. しみなどの気になる部分にコンシーラーでカバーする
4. リキッドファンデーションまたはBBクリームを薄く塗る
5. 最後にルースパウダーで仕上げる

プレストパウダータイプのファンデーションは使いやすくて便利ですが、重ね塗りした部分を目立ちにくくするにはテクニックが必要なので、むしろ、リキッドやクリーム状のアイテムを使ってみて。

最後にルースパウダーでふんわり仕上げればフォギーな印象に。より簡単に、カバーしたい毛穴部分が目立ちにくくなるはずです。

肌のハリが失われることで起こる「たるみ毛穴」。対策としては、日焼けによる肌のダメージを少しでも軽減すること、エイジングケア用のアイテムを選ぶこと、そしてクレンジングのときに擦らないこと、この3つを徹底するのが大切です。

また、メイクでは毛穴カバーに特化した「ポアレス系下地」を使うことで、毛穴の凹凸が埋まりやすくなりますよ。ちょっとの工夫で毛穴のお悩みがカバーできるので、あなたもぜひ試してみてくださいね♡ スキンケア用品を年代別に選びたい方は、以下の記事も参考になるかもしれません。ぜひ併せてご覧ください。

ナイトクリームを口コミから厳選！【年代別】プチプラ・デパコス・エイジングおすすめ夜用クリーム

【年代別】プチプラのおすすめ美白美容液25選｜口コミ人気の美容液をランキングでチェック！

【本記事にまつわる注意事項】

この記事は、一般的に知られる事項を元に作成されています。情報提供を目的にした記事ですので、診断に代わるものではありません。肌トラブルがある場合は、自己判断せずに専門家に相談しましょう。

【参考文献】

●『コスメの教科書　日本化粧品検定2級・3級対策テキスト』（小西さやか 著／主婦の友社）

●『美容成分キャラ図鑑』（小西さやか 著／西東社）

●『美肌成分事典』（白野実・かずのすけ 著／主婦の友インフォス）

●光老化「しわ、たるみ発生のしくみ」より（「光老化」啓発プロジェクト委員会）

https://www.hikari-rouka.org/knowledge/wrinkle/