馬油の効果で美肌・美髪になる！ニキビ・シミには効果ない？デメリットや使い方を紹介

馬油（バーユ・マーユ）は、馬の皮下脂肪からとれる天然の脂です。化粧品の成分では、動物性の”油脂”に分類されます。ヒトの身体の脂である”皮脂”に近く、水分の蒸発を防いで肌を柔らかくする”エモリエント効果”に優れ、保湿などのスキンケアに活用されています。

”油脂”という種類の脂である馬油は肌の表面に膜を張って、肌の水分が蒸発するのを防ぐ保湿効果があります。同じように化粧品に使われている油のなかでも、ワセリンやミネラルオイルなどの鉱物油と異なり、水分を抱え込むこともできるので高い保湿力を発揮します。

また馬油に含まれる”馬セラミド”が、肌の角質層で水分をキープして外部刺激から肌を守る”バリア機能”をサポートします。

馬油はとても肌になじみやすい脂です。皮脂を構成する成分が馬油にも多く含まれているので、肌との相性がよく、角質層への浸透力に優れています。浸透力の高さが、保湿や殺菌作用を効果的に発揮しています。塗った直後はベタつきを感じますが、浸透（※1）がよいのでしばらくするとベタつきも感じなくなります。

馬油には肌あれや肌のゆらぎを防ぐ効果があります。乾燥を防ぎ肌を保護するとして、馬油が昔から使われてきたのも納得です。

たくさんの美容効果が期待できる馬油ですが、天然の脂であるがゆえのデメリットもあります。

• べタつく使用感

肌なじみがよく角質層への浸透力が高い馬油ですが、つけた直後はベタついてしまいます。顔・体・髪といろいろな部分に使えますが、つけすぎるとギトギトの脂だらけになってしまうことも。

• 特有の臭い

動物性の脂なので、何も処理をしていない場合は獣っぽい臭いがすることがあります。また酸化が早いので、酸化によって臭いが発生する場合も。そのため特殊な処理をした無臭タイプや、臭いをマスキングするために精油などで香り付けをしている商品もあります。

• 保管に注意が必要

馬油は酸化しやすいので、光や温度の影響を受けないようにしなければなりません。そのため冷暗所の保管が必要で、適当なのは冷蔵庫。ズボラさんは管理が面倒に感じるかもしれません。

馬油は頭から爪の先まで、体中のどこにでも使えるのがよいところ。特徴やデメリットも考慮して、顔のスキンケア、ボディケア、ヘアケアの3つのパーツ別におすすめの使い方を紹介します。

• 保湿クリームとして

スキンケアの保湿剤として、化粧水→美容液→乳液の流れの後に、肌に水分や美容成分を閉じ込める役割で使います。浸透するまではベタつきがあるので、乾燥しやすい部分から順に少量ずつをやさしくなじませましょう。オイリー肌の人は、Tゾーンなどは避けたほうが無難。朝はメイクがよれる可能性があるので、夜のスキンケアにおすすめです。

• リップクリーム代わりに

舐めても害がない馬油は、唇の乾燥ケアにも使えます。薄く唇にポンポンとつけるだけでも乾燥を防ぐことができ、厚めに塗った上からラップすればパックとして集中ケアになります。

メイククレンジングや角栓ケアに馬油を使用する方法は、ニキビができやすい人は悪化させる可能性があるので、避けるのが賢明です。

馬油でクレンジングをする方法は油（馬油）で油（メイク）を落とすので、メイクはよく落ちます。けれどもメイクと混ざって汚れた油は、水やお湯だけでは洗い流すことができません。拭きとるか洗顔料で洗い流さなければなりませんが、たっぷり汚れた油を落とすには高い洗浄力が必要になり肌が乾燥してしまいます。反対に油分が残っても、ニキビや肌あれの原因になります。

同じ理由で馬油を毛穴に馴染ませて角栓を取る方法も、毛穴に油が残ってしまうのでおすすめしません。

毛穴の角栓ケアについておすすめの方法を知りたい方はこちらの記事をチェック→　黒ずみ・白いポツポツ《毛穴の汚れを取る＆溜めない》ケア方法＆おすすめアイテム10選

• ハンドクリームに混ぜて使う

保湿と柔軟効果のある馬油は、乾燥しやすい手指のケアに最適。けれどもベタつく使用感はハンドクリームとしてはちょっと使いにくい…そこでおすすめの使い方が、ハンドクリームに混ぜて使うこと。多くのハンドクリームに使われているワセリンやミネラルオイルは角質への浸透力がなく保湿力も弱いので、馬油をプラスすることで保湿力がアップします。

• ひじや膝、かかとの保湿ケアに

乾燥して固くなりがちなひじや膝、かかとは馬油で保湿し、柔らかくすることができます。入浴後の水分を含んでいるタイミングなら角質への浸透もよく、水分をしっかりと閉じ込めます。ベタつきが気になるなら、服や靴下でカバーするのがおすすめです。

• 頭皮マッサージに

硬くなった頭皮をマッサージで柔らかくし、頭皮の乾燥を防ぐために使うのもおすすめです。馬油のベタつきを避けるために、必ずシャンプーの前に行いましょう。沢山つけすぎると油分が残って、頭頂部分がペタンコの髪になってしまいます。使用量は控えめがおすすめです。

• ヘアスタイリングに

パサつく髪を落ち着かせ、ツヤを出すのにも馬油はおすすめです。髪の毛1本1本をコートしている皮膜の代わりになり、ドライヤーの熱から守る働きもあります。髪全体につけるとベタついてしまうので、毛先などにごく少量を指先で摘まんでつけるくらいが適量です。

Photo by HAIR

ニキビができやすい肌の人は馬油を使うとニキビが悪化したり、さらにニキビが増えてしまったりする可能性があります。馬油に含まれる”オレイン酸”はアクネ菌の餌になりやすく、肌に残るとニキビの原因になるからです。馬油はニキビができやすい肌や、オイリー肌の人の使用には向いていません。

馬油には「メラニンの生成を抑えてシミやソバカスができるのを防ぐ」という、美白効果は認められていません。「シミが消える」という効果は、「ない」と考えるのが正解です。

シミの対策を知りたい方は、こちらの記事もチェック→　シミ対策クリームを使って早めに予防スキンケア！【選び方とおすすめアイテム10選】

馬油に紫外線を防御する日焼け止めの効果はありません。肌が乾燥していると紫外線の影響を受けやすいので、保湿効果でダメージを受けにくい肌になる可能性はありますが、日焼け止めクリームの代わりにはなりません。

馬油はいろいろなアイテムで、試すことができます。馬油100％のアイテムや馬油を配合した化粧品があり、形状もオイル、クリーム、バームと異なります。身体のどこに使うか、どんな用途で使うのかによって、適切なアイテムを選びましょう。

馬油の老舗メーカー「薬師堂」の馬油化粧品のパイオニア商品です。”真空蒸気精製”という方法で空気に触れないようにして不純物を取り除いた、純度の高い馬油で常温ではクリーム状、肌につけると柔らく溶けて肌へなじみます。高い保湿力で、乾燥肌の方の顔を含む全身におすすめです。

独自の技術処理しているのでニオイは強くありませんが、気になる方は香りつきのタイプもあります。

高めの価格設定ですが、理由は希少な馬のたてがみ部分（こうね）の馬油を100％使っているから。馬の全身を使った馬油よりもゆるめのクリームで、より角質層へ浸透しやすいのが特徴です。

使用直後はもっちりとした感触が残るので、濃厚な重めの使用感が好きな方におすすめです。

化学薬品を一切使わず、7段階もの精製工程で馬油特有のニオイを取り除いた臭いの気にならない馬油クリームです。他社の馬油を使っていた消費者からも、「臭いがしない」と高い評価を受けています。

見た目は固めのクリームですが、肌にとると柔らかく伸びベタつきも感じにくいアイテムです。

馬油の代表的商品”ソンバーユ”シリーズのなかで保湿力と美容効果を高めた、上位商品です。馬油のなかでも比重の重い部分を使用しているので、保湿力が高く、ひどい乾燥が気になる方におすすめです。

クリームでもバームでもなく、液状の珍しい馬油。液体なので肌に伸ばしやすいのはもちろん、ほかの形状の馬油よりも肌なじみがよく使いやすいのが特徴です。液状なので化粧水やクリームなど、ほかの化粧品と混ぜてカスタマイズして使う方法もおすすめです。

馬油を天然成分のミツロウでバーム状にした、保湿クリームです。固めのクリームが肌につけると柔らかいオイル状になってスッと伸び、ボディの広範囲に使えます。ミツロウは密閉性が高いので、肌の保護効果がアップ。浸透（※1）した馬油を肌にしっかりと閉じ込め、長時間うるおいを守ります。

ハッカ油（ミント）のメーカーが製造している、ミントの香りが心地よい馬油クリーム。馬油の”保護効果”を実感できるアイテムで、鼻につけると花粉症などでムズムズする感覚がメントールで和らぎます。眠くなったときに目の下にちょっとつけて「眠気覚まし」にするという使い方も！夏場の入浴後の保湿ケアでは、爽快感が感じられておすすめです。

一般的な保湿クリームの4倍以上の大容量で、500円前後という超お得なクリーム。全身の保湿ケアにおすすめです。グリセリンやスクワランなどの保湿成分も配合され、馬油のベタつきを感じさせず塗り心地もサラサラです。尿素が硬くなった肌をやわらかくし、アロエエキス、モモ葉エキスが肌あれを防ぎます。

国産の馬油にサラブレッド（競走馬）の馬プラセンタエキスを配合した保湿クリームです。プラセンタエキスは高い保湿効果があるので、顔用のスキンケアにもおすすめです。動物性プラセンタのなかでも馬プラセンタは希少で、アミノ酸を多く含んでエイジングケア（※2）のはたらきに優れています。

馬油にスクワラン、ワセリンを配合した保湿クリーム。濃厚なクリームタイプですが伸ばしやすく、ベタつかない使用感がハンドクリームとしておすすめです。スクワランとワセリンが、角質層に浸透した馬油を閉じ込めうるおいが長続きします。

馬油はヒトの皮脂にとても近く、角質層まで浸透しやすいオイルです。乾燥肌にうるおいをあたえ、さまざまな外部刺激から肌を保護するはたらきがあります。年齢や男女をとわず、全身に使えるので、美容アイテムにぜひ取り入れてみてください♪

馬油クリームについてもっと知りたい人はこちらの記事もチェック→　馬油クリーム口コミ人気のおすすめ9選｜ハマる人続出！馬油クリームの嬉しい効果や使い方

※1　角質層まで

※2　年齢に応じたスキンケア